陽子線治療の適応
治療できるがん
適用対象外になる場合
遠隔転移がある場合
領域リンパ節転移を除く遠隔転移がある場合、基本的に陽子線治療を行うことはできません。
領域リンパ節転移でも広がりによっては陽子線治療の適応とならない場合があります。
過去に同じ部位に放射線治療を受けている場合
かつて放射線治療をうけたことがあるところに重ねて陽子線を照射した場合、どのような副作用が起こるのかは、今のところまだわかっていません。
腹部の消化管がんの多く、治療法が他で確立されている場合
胃がん、大腸がん、乳がん、卵巣がんなど
治療回数と治療期間
陽子線がん治療は1日1回、週3~5回、合計10~39程度、従来の放射線治療よりも少ない治療回数で完了する場合もあります。1回の治療時間は、位置決めなどを合わせて約20~45分、実照射時間は約2~10分です。
治療回数 | 治療期間 | |
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脳腫瘍 | 25-30回 | 5-6週間 |
頭頚部がん | 15-37回 | 4-8週間 |
肺がん | 10-37回 | 2-8週間 |
食道がん | 30-35回 | 6-7週間 |
肝臓がん | 10-38回 | 2-8週間 |
腎臓がん | 10-35回 | 2-7週間 |
膵がん | 20-28回 | 4-6週間 |
前立腺がん | 20-39回 | 4-8週間 |
直腸がん術後再発 | 18-35回 | 4-7週間 |
骨軟部腫瘍(特に頭蓋底・骨盤) | 16-39回 | 4-8週間 |
子宮がん | 28-33回 | 6-7週間 |
治療の流れ
副作用について
高清会陽子線治療センターでは、治療室内に設置したCT装置による高精度な位置照合システムや320列DualEnergy治療計画CTを用いた高品質の治療計画を用いて、がんを含む最小限の範囲に完治を目指すのに十分な放射線の量を照射することができます。そのため、従来の放射線治療に比べかなり副作用が軽くなります。しかしながら、がん病巣の部位や大きさ、放射線の量などによって副作用の症状や程度は異なり、個人差もあります。
このようなことをふまえ、治療を始める前に期待できる治療効果、起こりうる可能性のある副作用や対処法などについて医師と十分に話し合い、理解したうえで治療方針を決定していただきます。
治療費について
2016年4月から小児がん、2018年4月から転移のない前立腺と一部の頭頸部がん、手術非適応の骨軟部腫瘍が公的医療保険の適用となりました。それ以外の部位の粒子線治療は厚生労働省が「先進医療」として位置付けており、治療そのものの費用は自己負担となりますが、診察・検査・投薬・入院など通常治療と共通する部分は保険診療の対象になります。ただし、治療費をカバーする民間の保険があります。先進医療の適応は公益社団法人日本放射線腫瘍学会のホームページに詳細が掲載されています。
※通常の治療と共通する部分(診察・検査・投薬など)の費用には、公的医療保険が適用されます。